診療所と販売所の意外な決まり事

コンタクトレンズの販売所の近くには、診療所がある場合がほとんどです。これは、多くのコンタクトレンズ販売所が診療所と同じ経営者によって運営されていて、診療所で処方箋を受け取り、そのまま販売所で購入するという流れを作っているからです。
このコンタクトレンズの販売所と診療所ですが、その立地関係には薬事改正法上の意外な決まり事があります。お互いに近くにあるほうが便利だからといって、闇雲に建ててしまうと法律に違反してしまうのです。
まず、診療所と販売所は、それぞれ個別の入り口をもって独立していなければなりません。ですから、販売所の一角に診療所があったり、診療所の中に販売所があったりというように、どちらかが、もう片方の設備に含まれてしまっている場合は違法になるのです。
また、それぞれの出口は公道に面していて、その公道を通らないとお互いの施設を行き来できないようになっていなければなりません。例えば、診療所の駐車場の中に販売所がある場合などは、双方の行き来に公道を通らないので、これも違法になります。
さらに、販売所と診療所の建物は、完全に遮断されていなければなりません。隣同士の建物で出口がそれぞれ公道に面していても、中にお互いの建物を移動できるドアなどがあった場合、これも違法になってしまいます。
これらの決まり事は、診療所を利益優先に走らせないよう、販売所と過剰に結びつきを強めるのを防ぐためや、医療行為と商業行為の境界をはっきりと区切るためなど、様々な目的をもって定められたものと考えられます。
しかし、一方ではこの法律によって問題も引き起こしています。ビルの中で診療所を開いている眼科などが、併設してあるコンタクトレンズ販売所の販売許可をとれないことを理由に、コンタクトレンズの診療を諦めるケースも出てきているのです。
土地を広く使うことのできない都市部などでは、ビル内で診療所と販売所を併設している眼科も多く存在します。コンタクトレンズ診療を行えない眼科が増えてくれば、検診や診療を行える病院が減り、コンタクトレンズによる眼障害が増えてくるといったことにもなりかねないという心配の声も上がっています。
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