日蝕性網膜炎とは?

日蝕(日食)性網膜炎とは、日食時の太陽を直接見たことにより、網膜に炎症を起こした状態のことを言います。日蝕性網膜炎になった状態の目では、太陽光線によって網膜や視神経の細胞が焼き殺されており、これによって落ちた視力は元に戻りません。
太陽を直接見てはいけないということは、誰もが知っている常識ですが、中には冗談半分に太陽を直視してみたりする人がいます。しかし、太陽が発している光には、有害な紫外線や赤外線などが多量に含まれており、これを裸眼で直接見れば、目に重傷を負う、冗談では済まされない事態にもなりかねません。また、これらの紫外線や赤外線は、コンタクトレンズやメガネなどのUVカット機能だけでは、すべてを遮断することはできません。例えUVカットつきのコンタクトレンズやメガネをかけていても、直接太陽を見れば目に障害を起こします。
これは、太陽が完全に月の陰に隠れる皆既日食の時でも同じことで、黒い陰のまわりから漏れる太陽光線を裸眼で直接見てしまい、日蝕性網膜炎になる人も少なくありません。
太陽の光の強さは、レンズで光を集めるだけで紙を燃やすことができることからも周知の事実ですが、人間の目にある角膜なども、一種のレンズです。太陽の光を集めて視神経が集中する網膜や黄斑部に当てるようなことをすれば、細胞が焼けて死滅してしまうのも当然のことです。
空を見上げればすぐそこに見え、人間の生活に欠かすことができない恩恵を与えてくれる太陽の光ですが、この光には人間にとって非常に有害な光も含まれています。例え光が弱まって見える日食の時であっても、裸眼で太陽を見ることは避けてください。必ず観察用のフィルタやサングラスなどを使って、太陽の観察を行ってください。
繰り返しになりますが、日蝕性網膜炎によって弱くなった視力は、元には戻りません。特に小さなお子さんには充分な注意が必要です。
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